2009年5月20日
軌道エレベータ
現在、地球上から宇宙空間へ人間や物資を運ぶ手段はスペースシャトルを含む化学ロケットしか存在しない。
ロケットを宇宙への物資運搬手段として考えた場合、地球の重力に抗して宇宙空間まで移動するのに莫大な燃料を消費する。ロケットは、原理的に本体の重量の大半(およそ90%以上)を燃料が占めるので効率が悪い。また、燃料として非対称ジメチルヒドラジンや塩素を含む固体燃料などを使用するものは、燃料そのものが有害物質であったり、燃焼時に有毒物質を発生したりして、環境を汚染している。爆音や有毒ガスの発生以外にも、信頼性や事故発生時の安全措置の面でも不安がある。
このため、将来恒常的に大量の物資・人員を輸送することを念頭に置いた場合、経済的で無公害の輸送手段が望まれる。現在、ロケットに代わるさまざまな輸送手段が検討されているが、軌道エレベータはその一つである。
概念としては、静止軌道上の人工衛星から地上に達するケーブルを垂らし、そのケーブルを伝って昇降することで、地上と宇宙空間を往復するのを想像すれば良い。その際、全体の遠心力が重力を上回るように、反対側にもケーブルを伸ばしたり、十分な質量を持つアンカー(いかり)を末端に設ける。ケーブルの全長は約10万kmで、下端(地上)、静止軌道、上端の三ヵ所に発着拠点が設けられる。
エレベータという呼称が使われているが、ケーブルで籠を動かすのではなく籠が軌道を伝って上下に移動する。ケーブルは下に行くほど重力が強まり遠心力が弱まる一方、上に行くほど重力が弱まり遠心力が強まる。したがってケーブルのどの点においても張力がかかる。その大きさは、その点より上の構造物に働く重力と遠心力の絶対値の差である。荷物を上げ下げする際にコリオリ力が発生するが、地球につなぎ止められているため全体が逆さの振り子のように働き、元の位置を自然に維持する。
ケーブルは一定の太さではなく、静止軌道から両端に向かって徐々に細くなっていくテーパー構造である。ただし、地上から数kmの部分は風や雷の影響を避けるために10倍ほど太くし、さらに上空数百kmまではケーブルの構成物質が酸素原子と反応して劣化するのを防ぐために金属で薄くコーティングする必要がある。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』引用
軌道エレベータの必要性を考えました。
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